醜女化粧帳(しこめけわいちょう)

絶世のデブスがコスメヲタだったりする、この世の憐れ

口紅ひとつでブスにも光が差すと、心の奥底に焼き付いたあの日のブス


どうも、実在する紅の豚、紅ずんだです🐽🐽🐽



七五三とかそういう子供の行事を除いて、紅ずんだがはずめて自ら化粧をしたのは、花も恥じらう18歳、高校三年生の終わりの頃。


殿方とは全く無縁の高校生活であった。


高校に入ってすぐに『ああ…カッコいい😍』と密かに恋心を抱いていた、うちのクラスの学年でも目立つイケメン君は保健係だった。



十代の紅ずんだは面食いで惚れっぽい女版寅さんだったのだ、
嗚呼ブスは辛いよ。




高校一年の身体検査の日、クラスの保健係の女子が欠席したため、仕方なく女子の記録も男子の保健係が記載して結果を配った…そう、あの密かな片思いのあのイケメン君が女子の分まで記録を書いた。



いつの間にか配られた机に置かれた身体検査の結果の紙切れ…




そこには身長も体重もしっかり書かれていた。




身長158cm
体重65kg




私の高校はずめての恋は人知れず散った。




『これ◯◯さん休んだからイケメン君が全部書いたんでしょー?体重見られたーー😱』と騒ぐ女子達。



こういう時に騒ぐ女子ほど、誰が見ても痩せていて細い。これが女のマウンテングという性(さが)なのだ。



『ヤバい見られた恥ずかしい~💦💦💦』



それはそれはひときわ細~い、学年一目立つタイプの若い頃の中山美穂似の超美人。


この発言を聞いたあの日から、個人的にこのミポリン似美人の言動が、容姿の憧れでもある反面全部嫌味に見えるようになった…🤧






今から思えばイケメン君からしたら私の体重なんぞを記入した時に、『デブだな…』と思ったかもしれないぐらいで、イケメン君の脳裏には私の顔すら浮かばない名前すら思い出せない興味もないどーでもいい秒速で忘れているはず。

でもこれがミポリン似美人ならどんな男子も興味もあるだろうし、あの綺麗な顔なんかもう一瞬で思い浮かべられるだろうよ。




それなのにそれなのに一人で恥ずかしさに悶えた自惚れブス。



嗚呼それが今思い出すと一番恥ずかしい。


ブスが何キロだろうが誰も興味ないし、なにしろ顔さえ名前さえ覚えられてないという事実をなぜあの時悟っておけなかったのか。






話をコスメに戻しましょう。



母上の友人から進級祝のプレゼントに頂いた、それはそれは素敵なデザインのリップ。ゴールドに輝くゴージャスなリップケース✨✨✨✨




どこのブランドか失念…日本の大手化粧品メーカーだったはず。ああ私の記憶力に無念😭


このリップのお色がまた、美しいのなんのって。


濃~いローズピンク。咲き誇る本物の紅いバラのような色。ピンクというよりローズ色が強い。



まだお化粧に目覚めていないウブス、あまりにも綺麗なので学校に持っていき一人でニヤニヤ🤗





でその日はクラスの女の子がカメラを持参し『もうすぐ卒業だからみんなで撮ろう💕』と一緒に撮ってくれた。


少しだけ、その口紅をくちびるにチョンチョンと『置いた』


ちゃんと塗ると目立ちすぎる色。



そして悪い意味で学年中に話が広まっがら!



スクールカースト上位の綺麗で可愛いコなら…口紅くらいガッツリと塗っても『それ塗りすぎ~ヤバい先生にバレるって(笑)』とこれまたイケてるスクールカースト上位グループの女の子たちにからかわれるぐらいたけど、




オラみてぇなスクールカースト最下位ブスが口紅縫ったらあっという間に学年中に知れ渡っがら!💄悪い意味でな。





いつもは写真を撮られると、現像された現実の私の顔と体型を見てあまりの醜さに心をえぐられ夜の寝つきが悪くなり、二、三日は落ち込むのが常だったのだが…




数日後出来上がりの写真をもらい、今ほどは赤みは強くなかった私の顔…



やっぱりデブでブスだがいつものように寝込むほどブスに写っていなかった。デブだったけど。他の友達に比べたら別格にブスだったけど。




初めて『まともに写ってる!』と驚いた写真だったかもしれない。





それは絶対に、ローズピンクのあの口紅のせい。















後にそのイケメン君と学年一目立つタイプの美人はイケメン君から告白されて一瞬付き合うのであった。